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家庭学習の習慣化 完全ガイド|続かない原因の見分け方と、学年別の進め方

習慣は、意志の強さではなく、「始めやすい形」と「続いたことが見える仕組み」で、つくれます。

約3800字・読むのに8分ほど

この記事で分かること

宿題以外の家庭学習が、続かない。始めても、数日で止まってしまう。保護者から、「家で、全然やらないんです」と相談された。そんなときに、どこから手をつければよいかを、原因の見分け方、始め方、環境づくり、学年別の進め方、保護者との分担、立て直し方の順で、まとめました。

習慣化とは、何か

習慣とは、「毎回、決めなくても、自然に始められる状態」です。歯みがきを、毎回、やるか迷う人は、少ないはずです。勉強も、同じ状態に近づけることが、習慣化です。

ここで大切なのは、「やる気」を、あてにしないことです。やる気は、日によって、上がったり下がったりします。やる気がない日でも、動ける仕組みをつくることが、習慣化の中心です。

続かない原因を、見分ける

続かない原因は、子どもによって、違います。原因が違えば、手立ても違います。まず、どのタイプかを、見分けます。

1つ目は、「始め方が分からない」タイプ。何から手をつければよいか、迷って止まります。2つ目は、「量が多すぎる」タイプ。最初の意気込みで、多めに決めて、続かなくなります。3つ目は、「時間が決まっていない」タイプ。「あとで」が、いつまでも来ません。4つ目は、「環境に、誘惑が多い」タイプ。スマホやゲームが、近くにあります。5つ目は、「できている実感がない」タイプ。やっても、手応えがなくて、意味を感じなくなります。

原因を探る質問

  • 「勉強を始めるとき、いちばん、めんどうなのは、どこ?」(始め方・量)
  • 「いつなら、できそう?」(時間)
  • 「勉強するとき、近くに何がある?」(環境)
  • 「やって、いいことあった?」(実感)
  • 「前に、続いたことはある?そのときは、どうしてた?」(成功の経験)

始め方:小さく、決める

習慣化の、いちばんのコツは、「小さく始める」ことです。最初は、「これなら、やる気がなくても、できる」と思える量にします。5分、漢字3字、計算5問などです。

小さすぎて、意味がないように感じるかもしれません。しかし、最初の目的は、勉強の内容ではなく、「毎日、机に向かう」という行動を、定着させることです。量は、続いてから、少しずつ、増やします。

量を決めるときは、「できる量」の、半分くらいにします。「余裕でできた」と、感じられる量が、続けるための、ちょうどよい量です。

目標の決め方

大きな目標を、小さな行動に、置き換えます。

  • → 変える前毎日、1時間勉強する。

    → 変えたあと夕食の前に、算数のワークを、1ページだけやる。

  • → 変える前英単語を、たくさん覚える。

    → 変えたあと寝る前に、英単語を5語、隠して書く。

  • → 変える前苦手な数学を、克服する。

    → 変えたあと毎日、間違えた問題を、1問だけ、解き直す。

時間を決める:「何時」より「何のあと」

習慣を定着させるには、時間を決めると、効果的です。ただし、「何時から」と時刻で決めるより、「何をしたあと」と、行動に結びつけるほうが、続きやすいです。

たとえば、「夕食のあと」「お風呂の前」「帰宅して、おやつを食べたあと」といった形です。すでにある毎日の行動の、すぐあとに、勉強をつなげると、思い出す手間がなくなります。

また、同じ時間に、同じ場所で行うと、「その場所に座ると、勉強モードになる」という、結びつきが生まれます。

環境をつくる

環境は、意志より、強く働きます。机の上に、スマホやマンガがあれば、勉強より、そちらに手が伸びます。逆に、机の上に、その日やる教材だけが、出ていれば、始めるまでの手間が、減ります。

スマホは、勉強の間だけ、別の部屋に置きます。「我慢する」より「見えない場所に置く」ほうが、続きます。教材は、前日の夜に、机の上に出しておきます。

場所は、自分の部屋が、よいとは限りません。リビングのほうが、集中できる子もいます。本人に、「どこなら、やりやすい?」と聞いて、試してみます。

続いたことを、見えるようにする

続けるために、いちばん効果的なのは、「続いたことが、目に見える」ことです。カレンダーに、印をつける。シールを貼る。小さなノートに、日付と、やったことを、一行だけ書く。どれも、手間が少なく、達成感を得られます。

ここで、気をつけたいのは、「途切れたときの扱い」です。1日休んだだけで、「全部、台無しだ」と感じてしまうと、そこで止まります。「1日休んでも、次の日に戻れば、OK」というルールを、最初に決めておきます。

ほめ方・声かけ

習慣の途中で、保護者や先生の声かけは、大きな支えになります。ただし、声のかけ方で、逆効果になることもあります。

避けたいのは、「やった?」「また、やってないの?」のような、確認と責めです。代わりに、「今日も、続いているね」「昨日より、5分長く座れたね」のように、続いていること自体を、言葉にして伝えます。

ごほうびは、始めるきっかけとして、使えます。ただし、ごほうびがないと動かない状態にならないよう、少しずつ、「続けられた自分」を、認める言葉に、移していきます。

声かけの言い換え

責める言葉を、続いていることを認める言葉に、置き換えます。

  • → 変える前今日は、やったの?

    → 変えたあと今日の分、もう始めてる?手伝うことある?

  • → 変える前また、サボったね。

    → 変えたあと昨日は、お休みだったね。今日は、1問だけ、やってみようか。

  • → 変える前もっと、やらないとダメだよ。

    → 変えたあと毎日続けているのは、すごいことだよ。量は、少しずつ、増やしていこう。

学年別の目安

学年によって、取り組みやすい量や、方法が違います。あくまで、目安です。お子さんの様子に合わせて、調整します。

小学校低学年は、保護者と一緒に、短い時間(10〜15分程度)から、始めます。机に座ること自体が、練習です。音読、計算、漢字など、短く終わるものを、毎日、決まった時間に行います。

小学校高学年は、自分で計画を立てる練習を、始める時期です。「今日は、何をやる?」と聞いて、本人に決めてもらいます。量は、30分程度を目安に、本人と相談します。

中学生は、部活や塾で、忙しくなります。1日の中で、確実に確保できる時間を、本人と一緒に探します。短くても、毎日続けることが、テスト前の、まとまった勉強を、支えます。

高校生は、自分で管理する力が、必要になります。先生は、計画の「立て方」と「見直し方」を、一緒に練習します。週に1回、計画と実際を、振り返る時間をつくると、自分で調整できるようになります。

保護者との、役割分担

家庭学習の習慣化は、家庭の協力が、欠かせません。ただし、保護者が、全部を管理すると、本人の「自分で決める力」が、育ちにくくなります。

先生が、保護者に、お願いするのは、できるだけ、少なくします。たとえば、「勉強する時間になったら、声をかける」「できたことを、一言認める」といった、1つだけにします。多く頼みすぎると、保護者の負担になり、続かなくなります。

また、保護者が、つい言ってしまう言葉(「勉強しなさい」など)を、責めないことも、大切です。「おっしゃる気持ちは、よく分かります。声かけを、少し、変えてみませんか」と、提案します。

保護者への連絡の例(習慣化の取り組みを始めるとき)

家庭での学習について、ご連絡いたします。〇〇さんは、授業中は意欲的に取り組んでいますが、家での勉強の時間が、まだ安定していないようです。 そこで、2週間、次のことを試してみたいと考えています。 ・夕食のあとに、漢字を3字だけ書く(5分程度) ・終わったら、カレンダーに印をつける 量は、続けられる範囲で、ごく少なくしています。ご家庭では、「今日の分、できた?」ではなく、「続いているね」と、一言、声をかけていただけると、ありがたいです。2週間後に、様子をご連絡いたします。

量を小さく、期間を区切って、家庭へのお願いを1つにしています。

続かなくなったときの、立て直し

どんなに工夫しても、続かなくなる時期は、必ず来ます。テストや行事、体調不良、気持ちの落ち込みなどです。このとき、「また、ダメだった」と、本人が感じないようにすることが、いちばん大切です。

まず、量を、さらに小さくして、もう一度、始めます。「1問だけ」「1分だけ」でも、構いません。机に座る習慣を、切らさないことが、目的です。

次に、続かなかった理由を、本人と一緒に、探します。責めるためではなく、「何が、じゃまをしたのか」を知るためです。時間が合わなかったなら、時間を変える。量が多すぎたなら、減らす。環境が原因なら、環境を変える。

習慣は、1回途切れても、また始めれば、取り戻せます。「何回でも、やり直せる」という経験が、本人の自信になります。

よくある質問

習慣になるまで、どのくらいかかりますか。
個人差が大きく、決まった期間は言えません。数週間で安定する子もいれば、数か月かかる子もいます。期間より、「小さく続ける」ことに、集中します。
ごほうびを使ってもよいですか。
始めるきっかけとしては、使えます。ただし、ごほうびがないとやらなくなる状態を、避けるため、続いたこと自体を、言葉で認める声かけも、一緒に行います。
兄弟で、やる気に差があるときは?
比べずに、それぞれの、前日・前週との変化を、見ます。きょうだいで、同じ時間に、同じ場所で、並んでやるのも、一つの方法です。
塾や家庭教師の先生が、家庭学習に、どこまで関わるべきですか。
宿題と、家庭学習の量を、先生が設計して、保護者にも共有する、までが、役割です。家庭での管理は、保護者に任せますが、負担が大きくならないよう、お願いは少なくします。

まとめ

家庭学習の習慣化は、①続かない原因を見分ける、②ごく小さく始める、③「何のあと」で、時間を決める、④環境を整える、⑤続いたことを、見えるようにする、の5つで、組み立てます。保護者へは、お願いを1つに絞って、続いていることを、認める声かけを提案します。

続かなくなったときは、量をさらに小さくして、やり直します。「何回でも、やり直せる」ことを、本人に伝えることが、習慣を支えます。

例文の「〇〇さん」は、実際の名前に置き換え、事実に合わせて手直ししてお使いください。

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