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保護者への報告の書き方 完全ガイド|塾・家庭教師が、毎回迷わず書ける型と例文

報告は、文章のうまさより「型」と「事実」で決まります。毎回の書き方を、先に決めておきましょう。

約4300字・読むのに9分ほど

この記事で分かること

保護者への報告に、毎回時間がかかる。何を書けばよいか迷う。課題をどう伝えればよいか分からない。そんな先生のために、報告の考え方と、書き方の型、場面別の例文をまとめました。最初から順に読んでもよいですし、目次から、必要なところだけ読んでも使えます。

例文の生徒は、すべて架空です。実際に使うときは、名前と事実を、ご自身の授業に合わせて置き換えてください。

なぜ、報告が大切なのか

保護者は、授業の様子を直接は見られません。見えるのは、お子さんの話と、テストの点数と、ときどき届く報告だけです。報告が少ないと、「ちゃんと見てもらえているのか」「お金に見合っているのか」という不安が、少しずつ育ちます。

報告は、成果を自慢するためのものではありません。「授業で何をして、お子さんがどう取り組み、次に何をするか」を共有して、家庭と塾(家庭教師)が同じ方向を向くための道具です。うまく書けた報告は、解約の不安を減らし、家庭での声かけも変えます。

もう一つ、報告は、先生自身の指導を整える役にも立ちます。書こうとして書けないときは、授業の中で、何を見て、何を決めたかが、あいまいだったということです。報告を書くことが、授業の振り返りになります。

保護者が、報告から知りたいこと

  1. 今日(今月)は、何をやったのか
  2. お子さんは、どんな様子だったのか(できたこと、つまずいたこと)
  3. 先生は、それをどう見ているのか
  4. 次は、何をするのか
  5. 家庭で、してほしいことはあるか(なければ、「特にありません」でも伝わります)

基本の型:4つの部分で書く

迷わず書くために、報告を4つの部分に分けます。どの場面でも、この順に並べると、読みやすくなります。

①やったこと(範囲・内容)。②様子(できたこと、取り組み方)。③課題と、こちらの手立て。④次にすること(と、家庭へのお願い)。

この4つのうち、①と④は、事実なので、迷いません。②と③に、先生の見立てが入ります。②では、できたことを、具体的な場面とあわせて書きます。③では、課題を「問題点」ではなく「次に伸ばす点」として書きます。

4つの部分で書いた報告の例(中学1年・数学)

いつもお世話になっております。本日は、一次方程式の文章題に取り組みました。 〇〇さんは、問題文を読んで、図をかいて整理する方法を、すぐに試してくれました。数量の関係を図にしてから式を立てると、迷わずに進められる様子が見られました。一方で、式から答えを出したあとに、単位や問いに合っているかを確認する習慣は、まだこれからです。 次回は、答えの見直しの手順(問いに戻る、単位を確認する)を、一緒に練習します。ご家庭では、特にお願いすることはありません。引き続き、よろしくお願いいたします。

①やったこと、②様子、③課題と手立て、④次回、の順に並んでいます。ここから、事実だけを入れ替えれば、ほかの教科にも使えます。

「頑張っていました」を、使わないで書く

報告で、最も多いのが、「今日も頑張っていました」「集中して取り組めていました」という書き方です。間違いではありませんが、保護者には、何も伝わりません。どの先生が書いても、同じ文になるからです。

「頑張った」と書きたくなったら、その根拠になる場面を、1つ探します。何を、どのくらい、どんなふうに行ったか。それを書けば、「頑張っていました」という言葉は、いらなくなります。

あいまいな書き方を、具体的にする

どれも、先生が見たことを、そのまま書き足しただけです。

  • → 変える前今日も集中して取り組めていました。

    → 変えたあと50分の授業の間、ほぼ手を止めずに、文章題を6問、解き切りました。

  • → 変える前理解が進んできました。

    → 変えたあと先週は図をかくのに迷っていた問題を、今日は、ヒントなしで解けました。

  • → 変える前もう少し頑張りましょう。

    → 変えたあと計算の途中式を省くと、符号の間違いが出やすいので、1行ずつ書く練習を始めます。

  • → 変える前宿題は、まずまずでした。

    → 変えたあと宿題は、出した5問のうち4問を終えていました。残りの1問は、次回、一緒に解きます。

課題を、前向きに伝える

できていないことを伝えるのは、勇気がいります。避けたくなりますが、伝えないと、保護者は、テストの点数が出たときに、急に知ることになります。早めに、先生の見立てと手立てを、セットで伝えることが大切です。

伝え方のコツは、3つです。1つ目は、「事実」と「評価」を分けること(「宿題が出ていません」は事実、「やる気がない」は評価)。2つ目は、原因を決めつけないこと(原因は、分かっていなくてもよい)。3つ目は、必ず、次の手立てを添えることです。

課題の伝え方

責める言い方を、事実と手立てに置き換えます。

  • → 変える前宿題をやってきません。

    → 変えたあと今週は、宿題が出ていない日が続きました。量が多いかもしれないので、次回から、1日5分で終わる量に絞ります。

  • → 変える前計算ミスが多いです。

    → 変えたあと計算の途中で、符号を写し間違える場面がありました。見直しの順番(符号、単位、写し間違い)を決めて、練習します。

  • → 変える前文章題が苦手です。

    → 変えたあと文章題は、問題を読んでから、式を立てるまでの間が、止まりやすいようです。まず図をかく練習から始めます。

  • → 変える前集中力がありません。

    → 変えたあと授業の後半(40分すぎ)から、手が止まる様子が見られます。休憩を入れて、課題の量を調整してみます。

場面別の書き分け

報告には、いくつかの場面があります。基本の型は同じですが、重さと量が違います。

毎回の授業後の連絡は、短くします。3〜5行で、やったこと、様子、次回を伝えます。毎回長く書くと、先生の負担が増えて、続きません。

月ごとの報告は、少し長くして、1か月の変化をまとめます。「先月と比べて、何が変わったか」を、1つか2つに絞って書きます。たくさん書くより、変化が分かることを優先します。

テスト後の報告は、点数だけで終わらせません。点数の変化と、その原因として分かっていること、次のテストに向けた計画を、セットで書きます。

体験授業のあとの報告は、お子さんの現在地と、これからの計画を、分かりやすく伝えます。入会を迷う保護者に、「この先生なら、任せられそう」と感じてもらうことが目的です。

毎回の授業後の連絡(短い版)

本日の授業は、英語の過去形でした。規則動詞は、ほぼ間違えずに書けました。不規則動詞(go、eat など)は、まだ迷う場面があったので、次回、カードで練習します。宿題は、不規則動詞を10語、覚えてきてもらうようお願いしました。

3〜5行に収めた例です。「ご家庭へのお願い」は、ないときは、書かなくて構いません。

月ごとの報告(1か月のまとめ)

今月は、一次方程式から連立方程式まで進みました。 先月は、式を立てるところで止まることが多かったのですが、今月は、図をかいて整理することで、自分で式を立てられる問題が増えました。10月の確認テストでは、文章題の正答が、先月より増えています(5問中2問から、5問中4問へ)。 課題は、答えの見直しです。単位や問いの確認を忘れて、惜しい間違いになることがあります。11月は、見直しの手順を決めて、定着させることを目標にします。 ご家庭では、宿題のあとに、「見直しはした?」と一言、声をかけていただけると助かります。

数字は、実際にあった事実だけを書きます。具体的な数字があると、変化が伝わります。

テスト後の報告

先日の定期テストの結果について、ご報告いたします。数学は、前回より12点上がり、67点でした。 上がった点は、方程式の文章題で、式を立てられたことです。一方で、計算問題では、符号の間違いで、失点が3問ありました。 この結果から、次のテストまでは、計算の見直しを重点に練習します。点数だけでなく、「どこで間違えたか」を、お子さんと一緒に確認しながら進めていきます。

点数が下がった場合は、原因の決めつけを避けて、「分かっていること」と「次の手立て」を書きます。

書かないほうがよいこと

報告には、書かないほうがよいことがあります。

1つ目は、メモにない、想像の内容です。「楽しそうでした」「やる気が出てきたようです」は、見たことなら書いてよいですが、見ていないことは、書きません。事実と違う内容は、あとで信頼を損ないます。

2つ目は、ほかの子との比較です。「〇〇さんより、できています」は、お子さんにも保護者にも、よい影響がありません。比較するなら、その子の、先月と今月です。

3つ目は、断定的な将来の予測です。「このままなら、合格できます」「このままでは、難しいです」は、責任を持てない言葉です。「今の状態は、〜です。合格に近づくために、〜をします」と、いまの事実と手立てで書きます。

4つ目は、お子さんの人格への評価です。「だらしない」「怠けている」のような言葉は、行動の事実(提出が遅れた、忘れ物があった)に置き換えます。

報告を続けるための、仕組みづくり

報告で、いちばん難しいのは、続けることです。最初は意気込んで書いても、忙しくなると、後回しになります。続けるために、先に、仕組みを決めておきます。

授業の直後に、1分で、メモを残します。範囲、理解度、宿題、気づいたことの4つだけでも構いません。報告文は、あとから、そのメモをもとに書くのではなく、メモから、すぐに作ります。授業から時間がたつほど、思い出す作業が増えて、負担が重くなります。

毎回の連絡は、送る曜日と時間を決めます。「毎週金曜の夜」のように決めておくと、保護者も、届く時間を待てるようになります。

おやれぽは、この「授業直後のメモ」から、保護者への報告文を作るツールです。メモにあることだけを使うので、事実と違う内容が混ざりません。メモはお使いの端末の中にだけ残り、サーバーには送られません。

送る前の、最終チェック

  • 事実だけで書いてあるか(想像や、決めつけが入っていないか)
  • 「頑張っていました」だけの文がないか(根拠となる場面を、1つ書けているか)
  • 課題を書いたときは、次の手立ても書いてあるか
  • ほかの子との比較が、入っていないか
  • 生徒の名前、日付、教科、範囲に、間違いがないか
  • 長すぎないか(毎回の連絡は、3〜5行を目安に)

よくある質問

毎回、どのくらいの長さで書けばよいですか。
毎回の連絡は、3〜5行が目安です。月ごとの報告は、その月の変化を伝えるために、少し長くして構いません。長さより、事実と、次の手立てが入っているかを、優先してください。
いいことが書けない日は、どうすればよいですか。
「いいこと」を無理に探す必要はありません。その日やったこと、気づいたこと、次回の予定を、そのまま書きます。小さな変化(前より、手が早く動いた、など)も、事実なら、立派な材料です。
保護者から、返信が来ない場合は?
返信がなくても、読まれていることが多いです。返信を求めすぎず、必要なときだけ、「ご家庭で、気になることはありませんか」と、一言添えます。
テストの点数が下がったとき、どう伝えればよいですか。
まず、点数の事実と、分かっている原因を、そのまま伝えます。次に、先生の見立てと、これからの手立てを、必ずセットにします。早めに伝えるほど、保護者の不安は、小さくなります。

まとめ

保護者への報告は、①やったこと、②様子、③課題と手立て、④次にすること、の4つで書きます。「頑張っていました」は、具体的な場面に置き換えます。課題は、事実と手立てをセットにして、前向きに伝えます。そして、書き続けるために、授業の直後に、1分のメモを残します。

まずは、次の授業のあとの連絡を、この型で書いてみてください。2〜3回続けると、迷う時間は、ずっと短くなります。

例文の「〇〇さん」は、実際の名前に置き換え、事実に合わせて手直ししてお使いください。

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