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保護者面談の進め方 完全ガイド|準備、話す順番、難しい場面の対応まで

面談は、「話す」より「聞く」から始めます。準備と順番を決めておけば、難しい場面でも、落ち着いて進められます。

約4100字・読むのに8分ほど

この記事で分かること

保護者面談で、何を話せばよいか分からない。成績が下がった子の保護者に、どう伝えればよいか迷う。面談の後に、何をすればよいか。そんな先生のために、面談の準備、当日の進め方、難しい場面の対応、面談後のフォローを、順番にまとめました。

面談の目的を、はっきりさせる

面談の目的は、保護者に、お子さんの現状と、これからの方針を共有して、同意と協力を得ることです。結果を報告する場ではなく、一緒に、次の一手を決める場です。

目的が、あいまいなまま始めると、先生が一方的に話して終わったり、保護者の不満をただ聞くだけで終わったりします。面談の前に、「この面談が終わったとき、保護者に、何を持ち帰ってもらいたいか」を、1つ、決めておきます。

たとえば、「家庭で、宿題の声かけを1つだけ、始めてもらう」「志望校の方針について、保護者と、考えをそろえる」といった具合です。

事前準備のチェックリスト

  • 直近の授業メモと、これまでの報告を、見返しておく(どう伝えてきたかを、確認する)
  • テストの結果と、前回との変化を、まとめる(点数だけでなく、どこで失点したか)
  • 良い点を2つ、課題を1つ、具体的な場面つきで、用意する
  • 課題に対する、次の手立てを、決めておく
  • 保護者に、聞きたいことを、3つほど決める(家での様子、本人の気持ち、希望)
  • 面談の時間(30分なら、30分)と、話す順番を、決める

当日の話す順番

面談は、次の順番で進めると、落ち着いて話せます。

①あいさつと、面談の流れの説明(1〜2分)。②保護者の話を聞く(5〜8分)。③お子さんの様子を伝える。良い点から(5分)。④課題と、手立てを伝える(5分)。⑤今後の方針を、一緒に決める(5分)。⑥家庭にお願いしたいことを、1つ、伝える(2分)。⑦まとめと、次の連絡の予定(2分)。

ポイントは、②の「聞く」を、最初に置くことです。保護者が、何を不安に思い、何を期待しているかを知ってから話すと、先生の話が、保護者の関心に合ったものになります。

面談の冒頭の言い方

本日は、お時間をいただき、ありがとうございます。30分ほどで、お子さんの最近の様子と、これからの進め方を、お話しできればと思っています。最初に、ご家庭での様子や、気になっていることを、お聞かせいただけますか。そのあとで、私から、授業での様子を、お伝えします。

最初に、時間と流れを伝えると、保護者も安心します。「聞く」から始める、という姿勢も、この一言で伝わります。

「聞く」ときのコツ

保護者の話を聞くときは、途中で否定したり、先に答えを出したりしないことが、大切です。話の途中で、「でも、授業では〜」と言い返すと、保護者は、「聞いてもらえていない」と感じます。

うなずきながら、最後まで聞きます。聞いたあとで、「〜ということですね」と、要点を言い換えて返すと、「分かってもらえた」という安心感が生まれます。

気になることを聞くときは、「はい・いいえ」で答えられる質問より、「どんなときに、そう感じますか」のような、具体的な場面を聞く質問が、役に立ちます。

聞くための質問

答えが広がる聞き方に、置き換えます。

  • → 変える前家では、勉強していますか。

    → 変えたあとご家庭では、どんなときに、机に向かっていますか。

  • → 変える前塾は、楽しそうですか。

    → 変えたあとお子さんは、塾から帰ってきたとき、どんなことを話していますか。

  • → 変える前志望校は、決まっていますか。

    → 変えたあと進路について、お子さんとは、どんな話をしていますか。ご家庭では、どんな希望をお持ちですか。

お子さんの様子を、伝えるとき

お子さんの様子は、良い点から伝えます。ただし、ほめ言葉を並べるだけでは、保護者は、「いいことだけを、言われている」と感じます。良い点は、具体的な場面で伝え、そのあとに、課題と手立てを続けます。

目安は、「良い点を2つ、課題を1つ」です。課題は、一度に、たくさん伝えると、保護者が、受け止めきれません。もっとも大事な1つに、絞ります。

お子さんの様子を伝える言い方

授業の中では、分からないところを、自分から質問できるようになってきました。先月まで、黙ってしまうことが多かったので、大きな変化だと感じています。 また、宿題は、ほぼ毎回、出してくれています。 一方で、課題は、テストのときの見直しです。解き終わったあとで、答えを確認する前に、手を止めてしまうことがあります。そこで、次回から、見直しの手順を決めて、一緒に練習していきます。

良い点は、先月との比較(変化)で伝えます。課題は、1つに絞り、その場で、手立てを添えます。

難しい場面1:成績が下がったとき

成績が下がったときは、保護者も、お子さん自身も、気持ちが重くなっています。先生が最初にすることは、結果の事実を、そのまま、落ち着いて伝えることです。ごまかしたり、言い訳をしたりすると、信頼を損ないます。

伝える順番は、①点数の事実、②分かっている原因(分かっていなければ、「確認中」でよい)、③次のテストまでの手立て、④保護者へのお願い、です。原因を、決めつけて話さないことが、大切です。

成績が下がった子の保護者への伝え方

今回の数学の結果は、前回より8点下がりました。まず、この結果を、率直にお伝えしておきたいと思います。 答案を見ると、計算問題での失点が目立ちます。授業で理解できていることは、解答にも表れていたので、考え方の面では、大きな問題はないと見ています。見直しの時間が足りなかったことが、原因の一つだと考えています。 次のテストまでは、時間を計って、見直しの練習をします。ご家庭では、本人の気持ちが落ち込んでいるようなら、結果を責めずに、「次は、どうしようか」と、前向きな話をしていただけるとありがたいです。

点数、原因(分かっている範囲)、手立て、家庭へのお願いの順です。

難しい場面2:要望が強い、不満を言われたとき

「もっと点を上げてほしい」「宿題を増やしてほしい」といった、強い要望を伝えられることがあります。このとき、先生が、すぐに反論したり、できない理由を並べたりすると、関係が悪くなります。

まず、保護者の気持ちを受け止めます。「ご心配なお気持ち、よく分かります」と、感情を受け止める言葉を、先に伝えます。そのうえで、要望の背景(何が心配なのか)を、聞きます。

次に、できることと、できないことを、はっきり分けて伝えます。できないことは、理由と一緒に、できることを、代わりに示します。「宿題を倍にすることは、いまのお子さんには負担が大きいので難しいです。代わりに、授業の中で、演習の時間を増やします」のような形です。

その場で、結論を出せない要望は、持ち帰ります。「教室長と相談して、〇日までにご連絡します」と、期限を決めて伝えます。

要望を受けたときの言い方

反論や言い訳を、受け止めと提案に置き換えます。

  • → 変える前それは、無理です。

    → 変えたあとご心配なお気持ちは、よく分かります。いまの状況だと、その方法は負担が大きいので、代わりに、〜を試してはいかがでしょうか。

  • → 変える前本人が、やる気を出さないと、どうしようもありません。

    → 変えたあと本人が取り組みやすい形を、一緒に探していきたいです。まず、2週間、〜を試して、様子を見ませんか。

  • → 変える前ほかの生徒は、できていますよ。

    → 変えたあとお子さん自身の、先月からの変化を、お伝えします。ほかのお子さんとは、比べずに、進めていきましょう。

難しい場面3:家庭の方針と、こちらの方針が違うとき

保護者が、先生の方針と違う進め方を望むことがあります。たとえば、「基礎より、難しい問題をやらせたい」「受験の方針を、変えたい」などです。

ここでも、いきなり否定しません。「なぜ、そう考えたのか」を、聞きます。保護者の背景には、「周りの子が先に進んでいる」「過去の失敗がある」といった、理由があることが多いです。

そのうえで、先生の見立てと、その根拠を、お子さんの具体的な様子と一緒に伝えます。最終的な判断は、保護者に任せますが、先生の考えは、はっきり伝えます。お互いに、納得できない場合は、期間を決めて、試してみることも、一つの方法です。

オンライン・電話の面談で、気をつけること

対面と違って、表情や間が、伝わりにくくなります。聞くときは、うなずきや相づちを、少し大きめにします。話すときは、結論を先に言い、短く区切ります。

オンラインでは、資料を画面に共有すると、保護者が、状況をつかみやすくなります。テストの結果や、授業の記録を、事前に、1枚にまとめておくと便利です。

電話の場合は、重要な内容は、あとで、文章でも送ります。「言った・言わない」を避けるためです。

面談のあとに、すること

面談は、終わってからが、本番です。面談で決めたことを、実行しないと、保護者の信頼は、むしろ下がります。

面談の当日中に、面談のメモを残します。保護者が話した内容、決まったこと、先生がやること、保護者にお願いしたことを、整理します。

翌日までに、お礼と、決まったことの確認を、文章で送ります。そのあと、決めた手立てについて、1〜2週間後に、様子を一言、連絡します。「前回お話しした、見直しの練習ですが、〜という様子です」という報告があると、保護者は、「ちゃんと見てもらえている」と感じます。

面談後のお礼と確認の連絡

本日は、お時間をいただき、ありがとうございました。面談でお話しした内容を、確認のため、お送りします。 ・授業では、見直しの手順(問いに戻る、単位を確認する)を、次回から一緒に練習します。 ・ご家庭では、宿題のあとに、「見直しはした?」と一言、お声がけをお願いします。 ・2週間後に、様子を、改めてご連絡します。 ほかに、気になることがありましたら、いつでもご連絡ください。

決めたことを、文章に残しておくと、お互いの認識の違いを防げます。

面談の準備シート(印刷して使えます)

  • 今日の目的(持ち帰ってほしいこと):1つ
  • 良い点(場面つき):2つ
  • 課題(1つ)と、その手立て
  • 保護者に聞きたいこと:3つ
  • 保護者にお願いすること:1つ
  • 面談の時間と、話す順番

よくある質問

面談の頻度は、どのくらいがよいですか。
決まった頻度はありませんが、学期に1回、テスト後に1回、受験期は、もう少し増やす、といった目安があります。そのほか、お子さんに大きな変化があったときは、そのつど、連絡を取ります。
保護者が、ずっと話し続けて、時間が足りなくなったら?
話を遮らずに、「大事なお話なので、時間を取って、続きをお聞きしたいです」と伝え、次の機会を設けます。事前に、時間を伝えておくことも、役に立ちます。
本人にも、同席してもらうべきですか。
年齢や、内容によって違います。進路や、勉強のやり方について、本人の気持ちを聞きたいときは、同席が役に立ちます。成績の話で、本人が傷つきそうなときは、保護者だけで話すこともあります。事前に、保護者と相談して決めます。

まとめ

面談は、「話す」前に「聞く」ことから始めます。準備として、目的を1つ決め、良い点を2つ、課題を1つ、具体的な場面とともに用意します。難しい場面では、受け止めてから、できることを提案します。そして、面談のあとの連絡を、必ず、続けます。

日々の授業の記録(授業メモ)が整っていると、面談の準備は、ずっと楽になります。毎回の記録を、少しずつ積んでおくことが、面談の質を支えます。

例文の「〇〇さん」は、実際の名前に置き換え、事実に合わせて手直ししてお使いください。

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